福岡県の後期高齢者医療制度を巡る汚職事件で、同県の前副知事、中島孝之容疑者(67)=収賄容疑で逮捕=が、現金100万円を県庁内の副知事室で受け取っていたことが捜査関係者への取材で分かった。県町村会長で同県添田町長、山本文男容疑者(84)=贈賄容疑で逮捕=側から手渡しされたという。県警は、山本容疑者の意向で提供されたとみており、受け渡し時に2人の他に立ち会った人物がいるとみて追及している。
県警によると、100万円は、制度を運営する県後期高齢者医療広域連合(事務局・福岡市)の設立に際して、県町村会側に有利な取り計らいをしたことへの謝礼として、07年8月上旬に贈られたとしている。
また制度を運営する広域連合の議会の議員定数も、町村側の意向に沿う形で増員されていたことも分かった。厚生労働省によると、福岡の定数は全国最多の「77人」で平均の「27人」を大きく上回っている。県警は、広域連合設立準備委員会長だった中島容疑者が、山本容疑者の意向を受け入れ、調整を図ったとみている。【岸達也、近松仁太郎、三木陽介】
◇県庁などを捜索
福岡県警は3日、事件の関係先として福岡県庁や町村会や県後期高齢者医療広域連合が入る県自治会館(いずれも福岡市)、添田町役場などを家宅捜索した。捜査関係者によると、捜索先は十数カ所で山本容疑者が会長を務める東京の全国町村会も対象となっている。
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